MiNNN
レパトアシーケンスデータ用エラー修正ソフトウェア

MiLaboratories社のMiNNNは分子バーコード技術 (MIG) を使用して生成された免疫レパトアシーケンスデータのエラー修正を容易にするソフトウェアです。
ハイスループットシーケンスによる抗体およびT細胞受容体レパートリーの詳細なプロファイリングは、適応免疫研究にとって魅力的なアプローチとなってきましたが、その精度はPCR増幅エラーとNGSシーケンスエラーの蓄積によって損なわれることが課題となっています。MiNNNは独自のホットスポットエラー修正アルゴリズムによって、複雑な免疫レパートリーが持つ本来の多様性を維持しつつ、ほぼ全てのエラー修正を行うことが可能になりました。これにより、従来の単純なバーコードベースのデータ解析よりもロバストでエラーのない精度の高い結果の提供を可能にしています。
MiNNNは同じMiLaboratories社のMiXCRと組み合わせることで、高品質なTCR/IGレパートリーの全長プロファイリングを可能にします。
~ MiLaboratories社製品におけるレパトア解析フロー ~
*本ソフトは、Illumina社 MiSeq™ および HiSeq™ を使用して配列決定された、ライブラリー向けに設計されています。
MiNNNについて
MiNNNについて
MiNNNは、cDNA合成の段階で導入されたユニークな分子識別子に依存し、シーケンスデータからほぼすべての実験エラーをコンピューター上でフィルタリングが可能です(下図参照)。
MiNNNの特徴
MiNNNは以下の特徴を持っています。
- 次世代シーケンス(NGS)データのサンプル毎の分類、リードのオーバーラップ、アダプターのトリミング。 UMIシーケンスの抽出
- 同一の分子識別子でリードをグループ化することにより、ライブラリー内にあるオリジナル分子のコンセンサス配列をアセンブリすることが可能
- VDJ領域のマッピング、CDR3領域の抽出、ヒトおよびマウスすべての免疫受容体(TRA / TRB / TRG / TRDおよびIGH / IGL / IGK)クロノタイプのアセンブリ
- CDR3シーケンスのホットスポットエラーの追加フィルタリング
- CDR3の識別を可能にする生殖系列配列(IMGTに基づく)を持つすべての種と遺伝子のペアをサポート(*1)
(*1) CDR3識別可能な種と遺伝子ペア一覧
Species(生物種) | Gene(遺伝子) |
---|---|
HomoSapiens(ヒト) | TRA, TRB, TRG, TRD, IGL, IGK, IGH |
MusMusculus(ハツカネズミ) | TRB, TRG, TRD, IGL, IGK, IGH |
MacacaMulatta(アカゲザル) | TRB, IGK, IGH |
OryctolagusCuniculus(ウサギ) | IGL, IGK, IGH |
RattusNorvegicus(ラット) | IGL, IGH |
CanisLupusFamiliaris(イヌ) | TRB, TRG |
SusScrofa(イノシシ) | IGL, IGK |
BosTaurus(ウシ) | TRD |
MusSpretus(アルジェリアハツカネズミ) | IGL |
GallusGallus(ニワトリ) | TRB |
AnasPlatyrhynchos(マガモ) | TRB |
稼働環境
MiNNNの稼働環境は以下となります。
- OS:下記記載の JAVA が動作する Windows、Linux、MAC OS X
- Java Runtime Environment バージョン 8 以上
- グラフの出力には R の実行環境を必要とします(v 3.1.0 でテスト済)
* VDJtools の動作に必要です。
文献情報
Shugay M et al. Towards error-free profiling of immune repertoires. Nature Methods 11, 653-655 (2014) doi: 10.1038/nmeth.2960.
※記載の商品名等は各社の登録商標、または商品の場合があります。